『東京かわら版』ていう情報誌で連載してます。
創刊40年の寄席演芸専門誌です。わたしの入門当時は薄っぺらい...って、厚みのことね(笑)。落語会自体も少なかったのでページ数の少ない本でした。それがいつの間にかご立派になられて...。
わたしも昨年から隔月の連載をやらせていただいておりまして、芸人のお宅にお宝拝見にまわっております。『玉様のブラチン』という素敵なタイトルですので是非ご覧くださいませ。7月号は柳亭小痴楽くんのご実家を訪問しました。
お父さんが五代目痴楽師匠で年の離れたおかみさんが未亡人です。このおかみさんがとても良いのです。キレイで可愛い!大好き!小痴楽くん抜きで伺いたい。マメな師匠でたくさんの芸人の手ぬぐいがかなり良い保存状態で出てきました。また『痴楽綴方狂室』で一世を風靡した四代目の師匠の手ぬぐいなんかスゴいよ!見たい方は東京かわら版でご覧ください...と、宣伝。
お宅に伺うついでに小痴楽くんの手ぬぐいをゲットして紹介します。『成金』っていうユニットのリーダー的存在の小痴楽くん。ん...何...『成金』って?落語芸術協会のニツ目11人で構成されていて、いま大人気の講談の神田松之丞くんもメンバーのひとりです。でも今回は小痴楽メンバー(笑)の手ぬぐい。小痴楽くんは見た目はチャラいけど芯もチャラい(笑)。パーマなんかかけちゃってさ、チャラチャラです。
前座時代、一緒に呑んでて「お前そろそろ時間だろ?電車無くなるぞ」「大丈夫っす、母ちゃん迎えにきますんで」...母ちゃん?お前には母ちゃんかも知れないけどオレにしたら痴楽師匠のおかみさんだぞ!でも、おかみさんが可愛いからお前も許す!そんな男です。


ハート?...なんかチャラいねぇ~。まさに小痴楽くんにぴったりのチャラさ。でも、ホントは違うんだってさ。二葉葵という紋を繋げて組んだ『かけ葵』という柄。『蔓結び片喰』の紋を上手く手ぬぐいの柄にしようとしたらしいけど結果こうなりました。この柄自体がハートっぽいし、小痴楽くんの手ぬぐいだからチャラく見えるだけ(笑)。素敵な柄だと思うよ。

何て書いてあるか判る?わかるかなぁ、わかんねぇだろうなぁ。松鶴家千とせ師匠みたくなったけど実はこの畳紙の文字、当人が一本づつ書いている手書き。ということはおそらく(笑)『三代 柳亭小痴楽』。五代目の師匠がそうしていたそうで、それを受け継いでいる。偉い、チャラいだけじゃないね。
「いやぁ、手ぬぐい渡すとサイン頼まれるじゃないですか。面倒なんで『サイン?ここに書いてありますよ』って。そっちの方が楽だし」...やっぱりチャラかったぜ。