手ぬぐい豆知識

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いまさらですが、手ぬぐいの染めには三つの方法があります。本染めと呼ばれる注染手捺染、そしてプリント染めです。

たいがい噺家の手ぬぐいは注染。図案(デザイン)を考え、打ち合わせ。プリントじゃないんで、好き勝手にはできない。手ぬぐい屋さんと相談して手直し。色なんかも選びます。出来上がった図案に合わせて型紙を作ります。

柿渋と和紙を張り合わせたものに型を彫る。漆で貼り付け柄を固定。木枠に収めた型紙に反物(一反から手ぬぐいが9〜11本)を折り返し折り返し一回づつ糊を塗って重ねていきます。

そして染め。染料は全て色見本に合わせて微妙に調合。熟練の技です。色が重ならないように糊で土手を作ることで一度に数色を染めることを可能にします。染料を差し入れてコンプレッサーで下から吸引。

この作業によって裏まで染められるのです。染め終わった反物をていねいに洗って糊を落とします。これを天日乾燥させて、一枚一枚に切り分けます。仕上がった手ぬぐいをたたんで畳紙に包む。

ていねいに梱包されてわれわれ噺家の元へ届けられます。昔ながらの味わい深い手ぬぐいが、これらのたいへんな作業を繰り返して出来上がっているのです。

手捺染は一色に一枚の型を使って染める方法です。手ぬぐいの風合いを残しつつ複雑な柄を表現できます。グラデーションはできませんが、複雑な柄を再現できます。注染のような完全な色の裏通りはありません。

以上、手ぬぐい豆知識のコーナーでした!

さて、今回の手ぬぐいは七代目春風亭柳橋師匠。

最近、周りで新しい手ぬぐいを作ったとか聞かないし、他の協会の芸人さんと会うことも少ないし...はっきり言って紹介するものが無い(笑)!!家の中を捜索したところ素敵な手ぬぐいを発見!!どう?粋でしょ?!

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橋のたもとに柳です。墨で描いたものを手ぬぐいにしてあります。川のせせらぎが感じとれます。枝垂れ柳のグラデーションも素敵。また字がいい!『七代 春風亭柳橋』。左側に『才』(?)の文字に『山』。どなたの作品なのでしょうか?今度調べてみますネ。こんな手ぬぐい、一度作ってみたいねぇ〜!

七代目柳橋師匠はお亡くなりになって今年で十年、2004年にこの世を去られました。芸術協会の方なのであまり接点がありませんでしたが、お弟子さんで八代目の柳橋兄さんはいっしょに番組をやっておりました。もともと三代目桂三木助師匠門下で、後に六代目に移門。

晩年は病と闘いながらの高座でなんと手術は八度!!遊三師匠は「柳橋さん、そんなに切ったり縫ったりするのもたいへんだから、いっそのことお腹をチャックにしたらどうですか?」だって(笑)。ホント噺家ってヒドいよね。

ちなみにこの手ぬぐい、注染です!...最初の話はここへ繋がるのね(笑)。この技術、素晴らしいっす!きっとお値段はかなりなのでは?

さてさて、もうすぐわたしの主任(トリ)の興行がはじまります。

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このコピーで割引になります。9月11日より鈴本演芸場でお待ち申し上げます!

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古典落語には現在使われない言葉がたくさん出てきます。

言い回しも難しい。噺家じゃなかったら生涯口に出さない文句もいっぱいある。もちろん、知らないことはお稽古したいただいた先輩に聞いたり、自分で調べたりする。昔のテレビ番組『トリビアの泉』じゃないけど、へーってことばかりです。

片付けをしていたら『目でみることば』って本が出てきました。以前、テレビで紹介されていたモノを買ってパラパラっとめくっただけで無造作に積まれてました。この本はわれわれが普段から何気なく使っていることばの由来をカメラに収めて紹介しているもので、写真なんでわかりやすい!

例えば「シカトする」。
コレは人間が鹿とやっちゃうこと...わけねぇだろ(笑)。意味は無視すること、そっぽを向くこと。由来は花札の10月の札「鹿」からきてる。花札の鹿はそっぽを向いたポーズ。で、この札が10点なんで「鹿の十(とう)」で「シカト」。ここから博打打ちの間で無視するという意味になったんだとか。ふーん、面白いネ。

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こんな感じのかわいらしい本です。
東京書籍(文・おかべたかし  写真・山出高士)。


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【贔屓】
特定の人やものをとりわけ可愛がったり引き立てること。

贔屓って写真のような亀に似た中国の伝説の生き物なんだって知ってた?「贔屓の引き倒し」ってことわざは、この亀を引っ張り過ぎるとに乗っている石柱が倒れることに由来。へぇーっ、です!!

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【くわばらくわばら】
雷が鳴っているときに、
自分の所に落雷しないように唱えるまじない。

昔、井戸に雷が落ちたとき、村人が蓋をして閉じ込めた。逃げ場を無くした雷に「ここは桑原という所だ。この地に絶対に落ちないと誓うなら許してやろう」と言い渡し、それ以来雷が落ちていない。つまり「くわばらくわばら」というまじないは、雷に「ここは桑原ですヨ」と教えているわけ。

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【阿漕】
図々しいこと、義理人情に欠けあくどいこと。

これは落語の『西行』にも出てきます。三重県津市の阿漕ヶ浦。伊勢神宮に供える魚を捕るための漁場で一般には禁漁区。しかし、密漁を行う者が絶えなかったことから、あくどい商売をする者をこう呼ぶようになったんだって。写真の阿漕の海は美しくて穏やか。

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【長いものには巻かれろ】
力のあるものには従ったほうが得である例え。

ある猟師が象の鼻に巻き上げられて運ばれていると獅子が現れた。この獅子を猟師が弓で倒すと、お礼に象の墓場に連れて行ってくれる。そこにはたくさんの象牙が。猟師は大儲けしましたとさ。という中国の古い伝説。つまり、長いものとは象の鼻。実際に象の鼻に巻かれた写真(笑)。

※全て諸説あります。


まあ、こんなことばがたくさん出てきます。二巻まであって各1,300円(税抜き)。退屈しのぎにはもってこいですヨ!!




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